速いテンポの中で、ゆっくりと??

今日は、とにかく仕事のスピードを要求されました。

打ち合わせしながらどんどんアイデアを考えて
全員が見ている目の前で、次から次に出てくるアイデアを
形にして行くことを求められました。


ん1

とにかく時間のない仕事でした。
進め方に反対している時間さえない感じでしたが
なんとか短時間でも最良の案を形にすることができました。

「さすがプロだな。仕事が速いな。むしろこれからも
 効率的に、いつもこのスピードでやったらいいんじゃないか。」


ん2

冗談じゃありません。時間がないから、
このやり方をとるしかなかっただけです。
もっとじっくり考えたり話し合った方が
良いものになる可能性を持つ仕事もたくさんあります。
毎回こんなやり方をしていてはこちらの体も持ちません(汗)

疲れきって行った三味線の教室で
ある名人のじょんから節の手を師匠の前で
演奏してみることになりました。
これがまたかなり複雑な手で、しかもテンポが速いんです(汗)
四苦八苦しながら弾ききりました。

ん3

ずっと黙って私の演奏を聞いてくれた師匠が、こう言いました。

「何か焦っている。焦ったテンポに聞こえる。
 前のリズムの間を少しづつ後ろの音が食っていくような、
 全体として何か焦った演奏に聞こえてくる。」


まるで今日一日の私の焦りや
落ち着きのなさをすべて見ていたかのような発言で驚きました(汗)

「速いテンポの中で、そのテンポの中でも
 ゆっくり弾くことを心がけること。これが大切。」


速いテンポの中で、ゆっくり??速いテンポはキープしながら、
ゆっくり弾くってどういうことなんだろう。。

「その曲のリズムは守りながら、
 一音一音をしっかりゆっくり出して行く。
 速いテンポの中でも、出来る限り一音一音を
 しっかり魅力的に伸ばしていくこと。」


これが曲の善し悪しを決める重要な部分になるそうです。
なるほど。テンポという規則はきちんと守りながらも
その1テンポの中でしっかり丁寧に最大限に
ゆっくりいい音を作り上げて行くけばいいということか。

あの時のあの絵を見た感じに似ている。。
師匠の言葉から、急に現代アートの草間彌生さんを思い出しました。

ぴゅ9

草間さんの水玉を使ったアートは世界的にも有名で
写真や映像で目にする事も多いかと思います。
でも実際の草間さんの本物の作品の前に立つと
息も出来ないくらい強烈なアートの力を感じます。

一つ一つの水玉が、規則的に、そしてリズミカルに
じっくりと魂を持って力を放っているのです。
さらに一つ一つが丁寧に描かれていて、始めて見たとき
あまりのエネルギーに気を失いそうになりました(汗)

ん4

それは機械的な規則性に乗りながら、その規則性の中に
しっかりと人間の魂が注入されているような強烈な空間でした。

「その曲のリズムは守りながら、
 一音一音をしっかりゆっくり出して行く。
 速いテンポの中でも、出来る限り一音一音を
 しっかり魅力的に伸ばしていくこと。」


師匠の言葉を何度も自分の中で反芻しました。

ん5

何度も何度も弾いているうちに、私の中でこの言葉の意味が
とても深いものに思えて来ました。

「あっという間に過ぎて行く日々の速いリズムにのりながらも、
 一日一日をしっかりじっくり魂を込めて生きて行く。
 速いテンポの毎日でも、出来る限り一瞬一瞬をゆっくりと
 しっかり魅力的に伸ばしていくこと。急ぎながらも
 今をゆっくりとしっかり生きること。」


こう言っているのではないかと思いました。
師匠の言葉を勝手に拡大解釈してしまっていますが(汗)
私の頭の中の話なのでお許しください。
私にとって、とても大事な事を教えられた気がします。
焦らされる仕事もそのテンポにのりながら、そこでじっくり良いものを
最大限だせるようになればいいんだと理解できました。

今日も三味線と仕事、速いスピードの中で、ゆっくりじっくり
良い音が出せるよう頑張ります。







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テンポ

邦風さんよりずっとレベルの低い話ですが、私も最近テンポについてある経験をしました。
「コンクールではじょんがら節のテンポは130以上」という話を聞きつけ、メトロノームに合わせて130で練習。稽古日に師匠の前で弾いたところ、「あせって弾いているために、ごまかしているような印象を受ける。今日の録音を家で遅い速度にして再生して聞いてみたら?」というアドバイスでした。
再生速度を落として聞いてみると、師匠の言う通り、随所で音が飛んでいます。4300は430になっているし、なんと5連音符も3音しか聞こえてきません。
プロの演奏を同じように遅いテンポで再生すると、どんなに遅く再生しても3連音符は音が3つ、16分音符4つは音が4つ、5連音符は音が5つ、きちんと聞こえてきました。「これがアマとプロの違いか」と、感心した次第です。ずいぶん低レベルの話で失礼しました。

Re: テンポ

daxgさま

コメントありがとうございます!
全然レベルの低い話ではないどころか
私もやったことない話だったので勉強になりました。ありがとうございます!

「自分の演奏の録音を家で遅い速度にして
再生して聞いてみたら?」というアドバイス
すごい話ですね。プロの演奏を聞き取りたくて
ゆっくり再生した事はありましたが
自分の演奏をゆっくりにして聞くなんてすごい発想です。
たしかに弾いている自分にはどこかあまいところがあり
出来ているようで出来ていないところ
普段「なんとなく出来てるし速いからこんな感じで良いはず」
と思っているところを、再生スピードを落として聞いてみたら
随所で音が飛んでいるところなどはっきりわかりそうです。
4300が430になっているところ、なんと5連音符も3音しか聞こえてこない部分
私も多々ありそうで、再生するのが怖いです(汗)
でも、だから早めに弾いてしまいたいと思っているのかもしれません。

このスローにした時にもちゃんと弾ききっている力量がつけば
何も焦らず速いテンポでもゆっくり弾けるのかもしれません。
なるほどスローにすればするほど、プロとアマの違いがはっきりするんですね。
だからこそ師匠は、一音一音の丁寧さにどんなテンポでもこだわることの
必要性を伝えてくれていたのかもしれません。私もやってみます。
ありがとうございます!すべてが繋がりました。
目から鱗が落ちる思いです。

私も今日から自分の演奏のスロー再生やってみます。
嬉しいヒントありがとうございます。感謝しています!
プロフィール

邦風

Author:邦風
澤田 邦風(さわだ くにかぜ)と申します。東京で、仕事をしながらライフワークとして津軽三味線を演奏する日々を送っています。良い音色とは何か、日々追求しつつ頑張っています。「邦風ホームページ」でも活動が見られますので、見てみてください。

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