北欧で、素敵な女性に出逢いました。


長かったようであっという間だった北欧出張が、終わりました(汗)
空いた時間を利用して、ふと街で見かけた楽器屋さんに入ってみました。

そこで、カンテレという楽器を目にしました。
この国の伝統楽器ということで、触ってみたところ
とても美しい綺麗な音がしました。
早速、この楽器についていろいろ聞いてみようと思い
楽器を持って、レジの人に質問に行きました。


帰国1

残念ながら、店員さんはあまりこの楽器について詳しくなく
今、この楽器について詳しい方は出てしまっているので
あまり分からないですという答えが返ってきました。
なんだか申し訳なさそうな顔をされていました。

いえいえ、それは仕方ありません。
では弾き方だけでもどんな感じですか?
三味線のようにこう持つのでしょうか? けっこう大きいですね(汗)


帰国2

「それは違います。テーブルの上において使います。」

店員さんが言いました。なるほど!置いて弾くんですか!
ちょうど日本の琴のような感じなんですね。手で弾くんでしょうか。
それともピックみたいなものでしょうか。

残念ながらそこまではわからないようです。
ありがとうございました。何かで調べてみます。
そう言って立ち去ろうとしたところ、レジで私の後ろに並んでいた
北欧の女性の方が、私に何かを言い始めました。

帰国4

現地の言葉がわからないので
きっと早くレジをすませてほしいと言っているのかな?
と思いました。時間がかかってごめんなさい。もう終わりました。
カンテレを持ち上げてその場を去ろうとした瞬間。。
その方がカンテレの前に立ちました。


帰国3

そしておもむろにカンテレに手を近づけ
手の2本の指で弦を押さえ、右手を玄の上の触れるか
触れない位置におき、私に向かって、一生懸命何か語ってくれました。

ごめんなさい。全然言葉がわかりません(汗)
こんな時に、言葉が分かれば。。私があたふたしていると
その方は、とても優しい表情になり、ゆっくり何かを語りながら
カンテレに向けた指を、ゆっくり動かし始めながら
演奏を始めてくれたのです!

初めて聞いたカンテレの音色の綺麗さに驚きました。
音がとても澄んでいて、美しいのです。

その澄んだ音に一つ一つが、美しく混ざり合い重なり合い
今までに聞いたことも無い美しい世界を見せてくれた感じがしました。
それはまさに、この国の澄んだ冷たい空気の中に浮かぶ
時に優しく、時に雄大に、はかなげに、艶やかに存在する
オーロラのようでした。オーロラに音があるとしたら
こんな音なのではないかと思うような美しい音色でした。

その国の楽器の音色は、その国の美しい景色を
はっきりと見せてくれるんだと実感しました。


帰国5

私は感動してしまいました。レジの前で。
この方はきっと、ガイジンである私が、自分の国の伝統楽器について
興味を持っていることを感じ、そしてその責任を感じて
「私、弾けますよ。その楽器。目の前で見せてあげます。」
と名乗り出てくれたに違いないのです。ありがとうございます。
嬉しいです。この国の方は本当に素晴らしい方ばかりです。

そのまま、いつの間にかカンテレのレッスンの時間になっていきました。
お互い真剣になったり、笑ったり、言葉は通じないのに
楽器のレッスンではなぜか言われていることがよくわかりました。
私がする質問も、なぜか自分でも驚くほど日本語で質問しましたが
まるで分かっているかのように答えてくれました。
楽器を通して、なんとなく通じてる感じがしました。


不思議なものです。
相手の言葉も、こちらの言葉も通じないはずなのに
楽器の見て学ぶ、聞いて学ぶ、真似して学ぶことを
してきている同士だからか、言葉よりも相手の気持ちを感じて
言っていることがよくわかる感じがするのです。
この方が、どんな方かは分かりませんが
音楽や楽器が好きという気持ちで繋がり
言葉以上に伝えたいことが、伝わってきました。

ありがとうございました。私は深々とお辞儀をしました。
見ず知らずのカンテレの師匠は、とても感じの良い笑顔を浮かべました。
そして店員さんまで笑顔になり、レッスンは終了になりました。

「ところであなたはどこからきたの?何の楽器を弾いているの?」
という感じで師匠から聞かれました。
私は日本から来ました。三味線という日本の楽器を弾いています。
はい、シャミセンです。


帰国6

こんな感じで構えます。
「ベベーン。ベベーン。」っていう音がします。
一緒にやって頂いてありがとうございます。
なんだか嬉しくなってきました。
機会があったらぜひ聞いてみて下さい。
とても日本らしい音がします。

でもこの国の楽器の音も本当に素晴らしいです。
そしてその音をここで聞かせてくれようとした熱意も
その音色も、見えてくる景色も本当にすごいです。感動しました。
私は、このカンテレを自分へのお土産にしようと決めました。

弾くたびにこの国の美しい光景や、この国の人たちの住んだ優しい気持ちが
色あせることなく音で再現できる気がして
本格的な物ではなく、簡単な安い物をお店の方に用意して頂き
そのカンテレをレジで購入し、持って帰ることにしました。

帰国9

2人がすごく嬉しそうな顔をしてくれたのが忘れられません。
こちらも嬉しい気持ちになりました。日本に国の美しい気持ちや
空気を音という形で持って帰れることがとても嬉しいです。
ただ。。


ちょっと大きかったかもしれません。
これ簡易版とはいえ、かなりの大きさでした。。。
いろんな荷物とあわせて、すごい荷物の量になってしまいましたが(汗)
でもその大きさも含めて嬉しいです。
私にとってはこの楽器が、この楽器を弾いてくれた
あのお店のレジの思い出が、自分にとって何よりも
大きなお土産になる気がして、この大きな荷物を日本で開くことが
とても楽しみになっています。日本に着いたら、すぐに三味線とともに
楽しんで弾いてみたいと思っています。


今日から気持ちを切り替えて、また東京で仕事です。


帰国8

今回の出張では、まず言葉の壁を最初に感じて
海外の言葉をもう少し勉強しようと思いました。
それはとても必要だということがひしひしとわかりました(汗)
でももう一つ、それとは別に感じたことは
音楽ってすごい、楽器ってすごいということです。
お互い別の言葉を話していても気持ちが通じてしまう
「音楽という言語」はすごいなとも感じました。
レジの前で、国を越えて、言葉を超えて、心が繋がった瞬間は
とても嬉しい体験で自分でも驚いてしまいました。

北欧の、名前も知らないカンテラを弾いてくれた女性の
音楽への愛や、伝統楽器への誇り、他人への優しさを、あのレジの前で
感じさせて頂いたおかげです。
私も、日本で三味線や和楽器に興味を持つ海外の方がいたら、
同じようにできるように
愛と、誇りと、他人への優しさを持ち続けて行きたいと思います。
素敵な良い時間、良い思い出、大切な気づきをありがとうございました。
仕事にも三味線にも生かして行きたいです。


いろんな刺激を受けました。ますます今日も仕事も三味線も頑張ります。

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プロフィール

邦風

Author:邦風
澤田 邦風(さわだ くにかぜ)と申します。東京で、仕事をしながらライフワークとして津軽三味線を演奏する日々を送っています。良い音色とは何か、日々追求しつつ頑張っています。「邦風ホームページ」でも活動が見られますので、見てみてください。

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