津軽三味線 浅草大会 2016
前田侯爵邸での三味線の演奏を終えて
津軽三味線全国大会に向かいました。
今回から、会場が日比谷公会堂ではなく浅草公会堂になりました。
どんな会場になるのか、自分がどんな演奏を出来るのか楽しみです。
最近演奏をする事が楽しくなってきました。
先日の前田侯爵邸での演奏は、本当に楽しんで行う事が出来ました。
いろんな場所で演奏をさせていただく機会をいただいて感謝しています。
でも、大会はこう言った演奏の感触とは、まったく別の感じです。
すでに控え室での緊張感が違います。ドキドキします。
他の演奏者のかなりレベルの高い激しい演奏が聴こえてきます。
この時点で、出場者の音のクオリティーに打ちのめされます。
他の方の音や演奏は気にしないようにと思っても
やはり良い音は耳に飛び込んできてしまいます。
呼び出しがかかって待機した舞台袖でも
演奏している人のすごい音が飛び込んできて焦ります。。
この時点で、すでにレベルの違いを感じてしまいます(汗)
なんだか自分の番がまわってくる前に、すでに不安感がわいてきます。
この大会に出ると、なんともいえない敗北感を味わうことになります。
でも、これが大切です。上には上がいて、自分なんて大した事ないと知る事が
大会に出る意味です。これによって自分が成長します。
私の番が近づいてきました。まるで注射の番を待つ子供のような心境です。
勝ち負けで言えば、勝てるわけがありません。
すでに控え室での音がもう別格に違う音色の方たちでした。
正直、出直す意味で、ここから立ち去りたい気持ちでいっぱいですが
逃げては意味がありません。敗北覚悟で舞台に上がりました。
レベルの高い舞台に立つ事に意味があります。
恐る恐る演奏を始めました。本当に恐ろしいです(汗)
ここで聴いている方は、いずれも三味線の音に精通している方ばかりです。
ごまかしも小細工も通用しません。ドキドキしました。
大会はやはり、普段の演奏活動とは違う恐怖感と緊張感があります。
でも、このドキドキ感と緊張感を味わう事に意味があります。
いつもの演奏を楽しんでリラックスして行えればいいと
何度も自分の心に言い聞かせるのですが、やはり思ってもなかなか
うまくいきません。本番の私の体は、いつもの体の動きをしてくれません。
自分でもびっくりするほど変な動き方をして怪しい音が出ます。
でも、これが本番です。大会の本番での私の演奏です。
自分の無力さを味わう事も大会に出る事の意味だと感じます。
演奏を終えて、深々と頭を下げました。
自分の演奏の未熟さ、本番でのプレッシャーの弱さを実感しました。
でもこれが今の私の力です。練習の時の力は関係なく
追いつめられた場面で行う演奏の結果が、今の自分の力だと思います。
大会の緊張感と恐怖感の中で行った自分の演奏が
いまのすべてだと思っています。失敗だらけでお恥ずかしい限りです。
でも勇気を出して出場した事で
普段の楽しい演奏活動では気づかなかった
自分の弱点や改善点を見いだす事が出来ました。
これを克服すれば、普段のボランティア活動で
もっと良い音色でお爺ちゃん、お婆ちゃんに喜んでもらえる
演奏になるような気がします。浅草大会で
沢山のことを学ぶ事が出来ました。徹底的に敗北する事も重要です。
これにこりず来週の仙台大会も出場して
自分を成長させて行きたいと思います。
そしてこれからボランティア演奏に行ってきます。
今日は会社をお休みさせていただきます。