地に足をつける


授賞式を終えて、壇上を降りると
いろんな演奏者の方が声をかけてくださいました。

「良かったですね!おめでとうございます!」


浮かれない9

あ、ありがとうございます。賞はもらい慣れていないので
こんな時どんな顔をしたら良いのかよく分かりません。

「あんだの三味線、ながなが良がったよ。」


浮かれない7

会場で聞いていた地元の方からも、感想をいただきました。
ありがとうございます。青森の方にそう言っていただけて嬉しいです。

いつもより気分が高揚しながら、控え室に戻ると。。


浮かれない6

一人の女の子が、控え室で涙を流していました。
涙が止まらず、激しく泣きじゃくりはじめました。

お母さんらしき方が慌ててなだめるのですが、止まらないようです。
なんだか気まずい空気の中、控え室の中に入りました。


浮かれない5

まだ中学生くらいの女の子のようですがバチを握っています。
同じ大会に出場した演奏者のようです。おそらく、何か
演奏で悔しい思いをされたんだと思います。

泣きじゃくる声はどんどん強くなっていきます。
その声を聞いてたら、なんだか気持ちが引き締まりました。


浮かれない4

悔しい気持ち、泣きたくなる気持ち、落ち込む気持ち
泣き声から痛いほど伝わってきます。
大会は残酷です。やり直したくてもやり直しがききません。

今回の私の入賞は、運が良かっただけかもしれません。
浮かれている場合ではありません。


浮かれない3

来年に向けて、また地に足をつけて頑張っていかなくてはと思いました。
控え室を出ても、なぜか女の子の泣き声が耳から離れません。
私は大人なので泣く事はしませんでしたが
悔しくて泣きたくなるような演奏を何度も経験しています。

悔しい気持ち、落ち込む気持ち、情けなくなる気持ち、よく分かります。


浮かれない2

賞をいただいても、来年の私の演奏が良い演奏になるか
悔しくて泣きたくなる演奏になるかは、正直まったく分かりません。
それが大会の厳しさでもあり、それが演奏の恐ろしさでもあり
その難しさとスリルも含めたすべてが、もしかしたら
演奏する事の面白さなのかもしれません。


私も気を引き締めて、今後も三味線の演奏に挑んでいきたいと思います。
そんなことを考えながら、東京に帰る新幹線に乗り込みました。


浮かれない1

帰りの新幹線で、青森で買ったCD を聞く事にしました。
津軽三味線始祖「仁太坊物語」

というCDです。自分が賞を獲ったとことで
浮かれてしまったり、調子に乗ってしまうことを恐れて
購入しました。語りと三味線で仁太坊の人生と
津軽三味線誕生の歴史を学ばせていただこうと思います。

CD.jpg

味わいのある語りと聞き応えのある三味線の音が胸に染みます。
仁太坊の人生について、津軽三味線という楽器と演奏について
真剣に考えていました。聞いているうちに。。

「津軽三味線を弾いている」なんて人に言っていた
自分がなんだか急に恥ずかしくなってきました。
「津軽三味線を弾かせていただいている」が正しい感じがします。
もっと謙虚に津軽三味線と向き合わなくてはと思いました。
地に足がついてきた気がします。これからも津軽三味線を
真剣に愛情をこめて弾かせていただこうと思います。
東京に戻ったらまた1から三味線の稽古頑張ります。



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プロフィール

邦風

Author:邦風
澤田 邦風(さわだ くにかぜ)と申します。東京で、仕事をしながらライフワークとして津軽三味線を演奏する日々を送っています。良い音色とは何か、日々追求しつつ頑張っています。「邦風ホームページ」でも活動が見られますので、見てみてください。

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